- 先が読めないハラハラドキドキした展開の歴史小説が読みたい。
- 戦国武将が数多く登場し、なおかつその活躍を楽しめる歴史小説が読みたい。
- 1,2巻では物足りない。大ボリュームで最後まで飽きさせない歴史小説が読みたい。
戦国時代をモチーフにした歴史小説は数多く出版されていて、実際に上記のものを読みたいと思っても、どれを手にすればいいのか迷いますよね?
今から紹介する『異戦国史』は20年以上前に出版されたものですが、未だに筆者の中では最高に夢中になれる作品で、すでに10回以上は読んでいます。
そこで、この記事では、戦国関連小説を数多く出している著者・仲路さとる氏が初めて執筆し、歴史群像賞を獲得した本作の魅力をネタバレなしの範囲で紹介していきたいと思います。
これを読めば、あなたも『異戦国史』の世界に足を踏み入れたくなること間違いなし!また、ネタバレをしていないので、この記事を読むことにより、楽しみ半減という事もありません。。

信長が死ななかったという一見よくある題材ながら、よく練りこまれたシナリオと表現力でとても素晴らしいIFの戦国時代を創り上げています。
また、全13巻という大ボリュームで戦国好きも満足すること間違いなし!
あらすじ
明智光秀の謀反。世に名高い本能寺の変で信長は夢半ばで落命する。
はずが、本能寺の変で信長は死ななかった辛くも京を抜け出し向かった先は⁉
それを知った秀吉は?家康は?各地の大名たちの動向は?
武力と武力がぶつかり合い、謀略が謀略を呼ぶ時代。信長が統一しかけた日本であったが、再び戦乱の世が訪れ、武将達はそれぞれの思いを胸に動こうとしていた。
史実と仮想の掛け合いが面白い
ifを描く本作ではあるのですが、登場する人物に関しては基本的に史実を元に書いてあります。
しかし、中には史実には出てこない完全な仮想人物も出てくるのですが、それらが史実とうまく絡んでくるので、思わずニヤリとする場面が度々出てきます。
また、史実に登場する人物でも性格が違っていたり、全く違う行動をとったりしているので、その人物の意外な一面を見られたような気がしてとても面白いです。
仮想ゆえに先が分からなくて面白い
先ほど仮想の人物や性格が異なる人物が出ると言ったのですが、物語の流れも史実に沿っているものと仮想の時代の流れになっているものがあります。
そしてそれが、違和感なく絡み合っていて、最後まで先が読めずワクワクドキドキしながら読むことが出来ます。
会話の言い回しや説明が読みやすい
歴史小説では武将たちの言葉使いが難しかったり、専門用語が多すぎて理解しずらいことがありますが、この本は比較的読みやすくなっていると思います。
説明文も古い言葉は使わず、現代の言葉が使われており読みやすいですが、登場する人物の名前や地名などはそのままなので戦国時代に興味のない人には厳しいかもしれません。
全13巻の大ボリューム
この小説は1冊が200ページほどあり、そしてなんと全13巻あります。そして、巻頭にはそれまでのあらすじと前の巻の最後の勢力地図が載っているので、時間を置きながら読んでもある程度大丈夫だと思います。
このボリュームについては多すぎると思うかもしれませんが、筆者は最初に読んだときは1冊読み終わるたびに続きが気になって、気づけば最終巻だったくらいハマりました。
残念な点
戦国時代を題材にしている本作ですが、本能寺の変から始まる物語ですので、上杉謙信や武田信玄、北条氏康、毛利元就などといったそれ以前の戦国英雄は出てきません。彼らの雄姿を楽しみたい方は別の作品を探さなくてはなりません。
まとめ
全13巻からなるとても長編小説である本作。
史実、架空ともに数多くの武将たちが力強く生き、そして散っていくその姿はこの小説の一番の見所です。戦国好きな方にはぜひ手に取っていただきIFの戦国時代を存分に味わってほしいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
真サガでした。